前回、
花粉症治療とインペアードパフォーマンスについて書きましたが、意外と反響が大きく、それを気にして漢方治療を求めてこられる方が多くなりました。そこで、今回は花粉症と漢方治療について取り上げたいと思います。
漢方治療における抗ヒスタミン薬(西洋薬)と比べた場合の最大の利点は、眠気やインペアードパフォーマンスといった心配が殆どないと言うことに尽きると思います。肝心の効果はというと、個人差はありますが、案外結構満足度は高いのです。服用して15-20分程度で効いてきますので、頓用としてもお使い頂けます。私自身もひどい花粉症患者の一人ですが、抗ヒスタミン薬は眠気が出やすく診療に差し支えるので、漢方治療+点鼻薬+点眼薬で対処しています。
一方、漢方薬の欠点はというと、作用時間が短いことです。長くても5-6時間程度ですので1日3回は服用する必要があります。しかし、花粉症患者さんで多いのは、寝るときや仕事しているときなど、特定の時間帯で症状がひどいという方が多く、
24時間花粉症の症状で困っているという方は意外に少ないのです。であれば、困っている時間帯に合わせて漢方治療を行えば症状が緩和されて楽になるという訳です。

漢方薬で花粉症に有名な薬は
小青龍湯という薬です。しかし、
小青龍湯だけでは効果がある方は少ないのです。もともと漢方薬は、患者様自身の体力や体質、花粉症のタイプを加味して処方を決めます。花粉症だから小青龍湯というようにパターン化して処方していても効く訳がないのです。そこで小青龍湯に限らず、色々とアレンジを加えることでよく効くようになるのです。現在は、いちいち煮出さないで煮出したものを顆粒状に固めた手軽に服用できるエキス剤というものがありますので服用も簡単です。
勿論保険適応ですから、何万円もかかるようなことはありません。ご負担は抗ヒスタミン薬を服用するのと殆ど同じかむしろ安いくらいだと思います。
抗ヒスタミン薬で眠気などに困っている方は、漢方治療を試してみると良いと思います。
幸田クリニック