花粉症治療 インペアード・パフォーマンスについて

花粉症治療 インペアード・パフォーマンスについて 花粉症の季節が到来しました。何を隠そう私自身が毎年花粉症で悩まされる患者の一人です。浜松は2月5日辺りから花粉の飛散が本格化してきました。
 今年のスギ花粉飛散量は例年並~2倍程度
と予測されています。昨年は飛散量が少なく軽かったですが、今年は同じようには行きそうにありません。花粉飛散量予測が毎日出されていますので、花粉症の方は飛散量をチェックして対策を講じられることをお勧めします。

 さて、花粉症治療ですが、一般的には抗ヒスタミン薬と呼ばれるアレルギーを抑える薬を用います。抗ヒスタミン薬は鼻水やくしゃみ、目の痒みを抑える極めて有効性の高い薬と言えます。最近では、市販薬の中にも花粉症用または鼻水がひどいときの風邪薬として売られているものもあり、それらには抗ヒスタミン薬が含まれています。しかし、抗ヒスタミン薬には眠気という深刻な副作用があります。これが問題なのです。

 眠気なんか来ないよ!という方でも自分で気づかない集中力・判断力・作業効率の低下が起こることが判っています。このことをインペアード・パフォーマンスと呼んでいます。特に気をつけなければいけないのは車の運転です。とある予想によると判断力の低下は、ウイスキーシングル3杯を飲んだときに相当するとも言われ、米国では37の州で鎮静性の高い抗ヒスタミン薬を服用した際の車の運転を禁止しています。とっさの判断の遅れが大事故に繋がる可能性もあり、花粉症治療にはこのインペアード・パフォーマンスを起こしにくい治療薬が推奨されています。

花粉症治療 インペアード・パフォーマンスについて しかし、市販されている花粉症治療薬はインペアードパフォーマンスないし眠気(鎮静効果)が強く出るものが多いのです。何故なら、そういった薬は切れ味がよく、一回服用するだけで効果が強く出るからです。

 当院ではそういった切れ味のよい抗ヒスタミン剤は、症状がひどいときの頓用として処方する以外には一切処方をしておりません。インペアード・パフォーマンスが起こりにくい薬剤は切れ味が悪く、最低でも3-4日は服用していないときちんとした効果が出ません。頓用には向かず、そのため、花粉症シーズンにあわせて継続的に服用してもらう必要性があります。私自身もそうですが、この方法が最も安全で効果的な方法と考えています。

 インペアード・パフォーマンスの起こしにくい薬を出してもそれでも眠くなったりしてしまう方がいます。個人差がありますので、当然の話です。そういった方は薬を服用せずに我慢するしかないのでしょうか?
 そんなことはありません。漢方治療を行うことも出来ます。漢方治療は体質に合わせた治療薬を処方していきますが、人によっては抗ヒスタミン薬より漢方薬の方がよく効くという方もいます。何よりの特徴は眠気が出ないことで、インペアード・パフォーマンスを起こさないと言っても過言ではないと思います。

 このように花粉症治療は個人の体質に合わせて行うことをお勧めします。私自身が患者であるからこそ、花粉症の方たちに楽になる方法を伝授できるかもしれません。花粉症でお困りの方は一度ご相談下さい。

幸田クリニック






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