今日、東日本大震災から1年を迎えました。
被災されてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。
また、被災され今もなお不自由な生活をされている皆さまに心からお見舞い申し上げます。
震災から1年、これから被災地の復興が本格的に始まろうとしているのではないでしょうか。
今後5年、10年、もしかしたら20年かけて、被災地の地域社会が再構築され、活気を取り戻していくことになるのでしょう。
我々は、この事実を後世に語り継ぐ必要があるのではないかと思います。
そんなとき、これから社会の主役となっていく、今の中学生はどのような感想をもっているのでしょうか。
先日、陸前高田市に医療支援ボランティアに行った経験をお話しさせていただいた際の感想をいただきました。
被災地ではない地域の今どきの中学生が、東日本大震災についてどのように思い、今後に人生にどう生かそうとしているのか。
彼等、彼女等が大人になった時に、被災した地域にどのように接してくれるのか想像できる感じがして、心が少し安らぐような気がします。
被災した地域の人たちに中学生たちの声が思いが伝わることを願います。
なお、感想は私が独断と偏見で選びましたが、決して優等生の感想だけを選んでおりません。
まずは1年生。
1年女子
「ボランティア」という言葉を私たちはよく使います。でも今日私は知りました。
「ボランティア」はそんな軽いものじゃないと。私はまだ被災地に行けないけど、今自分にできる精一杯の事をしたいと思いました。震災で12人に1人亡くなっているときき、びっくりしました。先生は津波がきて生き残るのは運だと言いました。それでは今まで津波で亡くなった人たちは運がないために亡くなったのでしょうか。それではあまりに悲しすぎると思います。私は生き残りたいです。絶対に生き残ります。
1年男子
ぼくは幸田さんの話を聞いて心に残ったことは、
衛星電話の話です。その人が衛星電話を渡さなかったら被災地の人たちは連絡する手段がなくて困っていただろうと思いました。衛星電話をわたした人は亡くなってしまったけど、被災地の人たちを助けたことがわかりました。他にも被災地の中学生たちが頑張っていたことを知って、東海地震が起きてもだれかの役に立つようにがんばりたいです。
1年男子
陸前高田市で1本だけ生き残った
「奇跡の1本松」が枯れてしまいそうだということを前にテレビで見ました。でも接ぎ木によって苗木も育っているそうです。この1本松も大きく育ってほしいと思います。被災地がはやく復興するといいと思います。ぼくもできることをがんばります。
1年男子
ぼくのおばあちゃんも陸前高田市にいて、ぼくのいとこは津波で死にました。ぼくのおばあちゃんは山に牧場をもっていて、そこを市に貸しています。すごくいい人です。あったことがありますか? ぼく自身もすごく助けに行きたい気持ちがあります。ぼくのおじいちゃんは山形にすんでいて、実際に助けにいきました。地震の本もくれました。それをみてびっくりしました。
ぼくは地震がすごく怖いです。
1年男子
3月11日にテレビのチャンネルが一斉に地震情報になり、僕は早くチャンネルが戻らないかな位にしか思っていなかったけど、現地ではテレビで見るよりも大変な出来事が起こっていたことを知っていい勉強になりました。東海地震がいつくるかわからないこの地域で、
幸せに学校生活がおくれるということは自分が思っている以上に幸せななんだなと思いました。
1年男子
ぼくはまず飯田小と東部中をそつぎょうした先輩で一緒に行った人がいたのにびっくりしました。今後、いつぼくたちにそのような災害がおこるかわからないので、自分の命を自分で守れるようにしたいです。今、被災している人たちに対して、何ができるかを考えたいと思います。
1年女子
どれだけの人がボランティアとして活動しに行き、その裏ではどのようなことが起こっていたのか、ボランティアとして被災地に行かなければわからないことばかりだと思いました。
自分も勇気をだしてボランティアに行き、何か役に立つことができる人になりたいなと思いました。今日のお話でボランティア活動をした方にしかわからないような貴重な体験談を聞き、勇気がもらえ、そのような人の心の温かさを知りました。
1年男子
今日の命の講演会は正直めんどうくさかったけど話を聞いていくうちに本当の命の大切さについて学べたと思いました。今度、もし地震があった場合、ぼくも率先してボランティア活動をしたいと思いました。
つい1年前まで小学生だった子たちです。私のような人間が話をしただけでも、いろいろなことが伝わるものだと感心します。
続いて2年生と3年生。
2年女子
現地に行って被災者の皆さんの役にたつことが大切だと思いました。なくなった方が2000人もいらっしゃるということでなんだか想像がつかない数だと思いました。あたりまえの生活があたりまえじゃなくなるというこがどれだけ大変かすごく伝わりました。そして、
今がれきのうけいれでもめていますが、ぜひ、受け入れてほしいと心から思いました。そして、東北が一日でも早くふっこうして、明るい笑顔をみんながとり戻してほしいです。
2年女子
私が今日の講演会で一番印象にのこったことは、
「中学生や高校生の笑顔にはげまされた」と言っていたことです。私にもできることがあるんだなと思いました。けれど笑顔を作るのはむずかしいなとも思いました。つらいときに笑うなんてできないかもしれないけれど、どんな時でも明るく前を向いていきたいと思いました。
2年男子
講師の人が来たときは、どっかの学校の先生かと思いました。でも話を聞いていくうちにそんなことは忘れて聞き入ってしまいました。
迷惑ボランティアの人は、心ではいいことはしていると思っていても、実際はいいことをしていないというのは少し悲しいです。しっかり確認してからボランティアに参加した方がいいと思いました。
2年男子
幸田先生が途中で涙したとき、改めて命の大切さを感じた。
死にたくて死んだ人はいない。生き残っただけでも奇跡。今生きている人はそのことを忘れてはいけないと思う。
2年女子
ボランティアは今まで参加したことはありましたが、子供会の行事や学校からの強制で参加していました。今日の話を聞いて、今度ボランティアを募集していたら、自分から参加してみようと思いました。私は大人になったら医者になって人の役に立てるようになりたいと思いました。
2年女子
ボランティアのいいところをたくさん知りました。今までボランティアの良さとか、やることとか、よくわかっていなかったけど、今日の話をきいて
ボランティアで人が元気になり、人が救われることを思うと、東北の人になにもしてあげられなくて申しわけなかったと思いました。
3年男子
ぼくは、あの震災のことを他人事で見ていた。自分は何もしていなかったが、そんな時、被害者のために働いている人がいた。自分が何もできなかったために、苦しんでいる人もいただろう。ぼくはそんな事を知ることができた。だから、これからは
他人事ではないという意識で、何かしらの形で関わっていきたい。
3年女子
改めて東日本大震災がもたらした被害の大きさやおそろしさを思い出すことができた。あんなに大きな地震だったのに、いつのまにか記憶の中からうすれていっていることも事実で、被災された人に申し訳なかったと思いました。私の父も春休み位にボランティアに行っていました。ですが帰って来てからの父はつかれている様子だったし、その時の様子は聞けませんでした。でも、父の苦労を知ることができたような気がします。
どのような感想を持ちましたか?
正直、もっと反発した意見を頂くのかと思っていましたが、ほとんどありません。
校長先生にも腹をたてるようなことはないので包み隠さず全ての感想を見せてくださいとお願いしました。
みんな本当に素直なんです。ここでは紹介できない感想も本当に素晴らしいものばかりです。
彼ら彼女らがこれから大人への階段を昇って行くのです。ちょっとほっとしませんか。
がんばれ! 中学生
今日の震災の日を境に、ボランティアに行った人たちや今も活躍されている人たちが、その経験を中学生・高校生に話す機会がもっともっと増えるとよいように思います。
幸田クリニック