ワクチン接種について ①子宮頚がんワクチン

ワクチン接種について ①子宮頚がんワクチン最近、問い合わせの多いワクチン接種について、順番に解説させていただきます。
第一回は子宮頚がんワクチンについて解説します。

なお、平成23年10月1日時点の浜松市などからの指導内容が、一部情報源になっています。
浜松市以外にお住まいの方は、公費接種対象者の部分はご参考になさらないようにお願いいたします

子宮頚がんはヒトパピローマウイルス(HPV)によって起こることが判っており、その関係を解明したドイツのハウゼン博士は2008年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。

こういった根拠に基づいて、HPV感染をワクチンによって予防し、子宮頚がん発症を減らそうということが目標となっています。

子宮頚がんワクチンには、英国グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」、米国メルク社の「ガーダシル」という2種類があります。当院では両方のワクチンが接種可能になっています。ガーダシルについては、10/17(月)から接種を開始します。

サーバリックス・・・HPV16・18型感染予防ワクチン(対象年齢10歳以上)
ガーダシル・・・HPV6・11・16・18型感染予防ワクチン(対象年齢9歳以上)

一見、ガーダシルのほうが4種のウイルスに予防効果があるのでよさそうですが、子宮頚がんに効果があるのは16型と18型であり予防効果については差はないようです

ただし、日本人の子宮頚がんにはHPV52・58型の関与が比較的多いともいわれており、予防効果は60%程度という意見もあります。HPV感染以外の子宮頚がん発生の可能性もあるため、ワクチンを接種したからといって完全に子宮頚がんの予防ができるというわけではないようです。また、アジュバントといわれる免疫増強剤が入っていることから、その安全性について疑問視する意見もあります。

それでも性交渉でHPVに感染する前にワクチン接種をすることで、一定の効果が期待できることから、全世界的に接種が推奨されるようになっています。

ワクチン接種について ①子宮頚がんワクチンそんな子宮頚がんワクチンも公費負担の対象となった途端、全国で接種希望者が急増したため需要に対して供給が追い付かなくなり、今年の前半は新規接種者を見合わせる時期がありました。しかし、現在は供給体制が整い、サーバリックス・ガーダシル共に希望者全員に接種することができるようになっています。

希望者といっても1回分の接種料が17000円(当院)と高価であり、既感染者への効果は期待できないことから、公費対象者以外の希望者は殆どありません。

10月1日時点での浜松市における公費対象者は以下の方(女子のみ)です。
・中学1年生・2年生・3年生、高校1年生相当(平成8年4月2日~平成11年4月1日生まれ)の方
・高校2年生相当(平成7年4月2日~平成8年4月1日生まれ)のうち9月30日までに1回目の接種が終了している


なお、中学1年生~高校1年生相当の方が公費負担で接種できるのは、平成24年3月31日までに接種した分までとなるようです。
平成23年9月からはガーダシルも公費負担で接種が可能になりました。

子宮頚がんワクチンはトータル3回がセットになっています。
サーバリックス・・・初回・1ヶ月後・6ヶ月後(初回から数えて)
ガーダシル・・・初回・2ヶ月後・6ヶ月後(初回から数えて)

初回は、副反応などが出る可能性があるので、接種後30分程度経過を見させていただいて、特に問題がなければ帰宅していただきます。2回目からは接種後すぐに帰宅していたいて問題ありません。

接種後の接種部位における腫脹・疼痛は、インフルエンザなどの予防接種などと比べてかなり高率な印象があります。
その多くは数日で軽快してしまうものです。

接種に際して、賛否両論があることは事実ですが、一定の予防効果は見込めるものと考えて当院では接種をしております。実際に子宮頚がんが減るかどうかは、現在の接種対象者が子宮頚がんの好発年齢である30歳台にならないと判らないと思います。我々、消化器内科の領域でもB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに対する感染予防策や駆除策を徹底して行ってきたことにより、肝細胞がんが激減しているという事実があります。それと全く同じことが子宮頚がんでも起こることを期待しています。

幸田クリニックワクチン接種について ①子宮頚がんワクチン



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