
長い長い梅雨もあけて、やっと夏らしい日がやってきました。
夏らしい日々を待ち焦がれている方々いる一方で、恐怖に感じている方々もいます。胃腸が弱く、夏になると食欲が減退し体重が減少してしまう人たちです。当院は消化器科であり、胃腸が弱い方が多く来院されているため、夏が苦手の方たちが多く来院されています。
そこで、夏が苦手な方たちに、とっておきの夏を乗り切る方法を提案してみたいと思います。
まずは夏バテの原因から考えてみましょう。
夏バテの原因として多いのは以下の4つです。
1.汗のかき過ぎ ~ミネラル不足・脱水症状
2.麺類など口当たりのよいものを中心とした食事 ~栄養バランスの偏り
3.寝苦しくて眠れない ~睡眠不足・疲労蓄積
4.クーラーの中にいることが多い ~外に出た時の温度差が大
以前は夏バテというと暑さが原因でした。現在は冷たいものを飲み過ぎたり食べ過ぎたり、クーラーの中で生活して汗をほとんどかかないなどの
冷えが原因になることが多くなっています。
適度な運動とバランスのよい食事が夏バテ予防には最も効果的といえます。しかし、そうはいっても運動はする時間はないし、食欲がなくてそんな沢山食べられないという方も多いことでしょう。

そこで、大事なのが
ビタミンB群の存在です。
夏バテの症状である食欲不振や下痢といったものは、胃腸の運動が悪くなって消化吸収が低下することにより起こります。これらを改善して胃腸の運動を活発にするのにビタミンB群は大変効果的なのです。
土用の丑に鰻を食べるといいますが、鰻にはビタミンB1が豊富に含まれており、夏バテ予防の効果があるといわれています。昔の人たちがどこまでわかっていたのかは不明ですが、夏を前にして鰻を食べて胃腸の運動を活発にしておくというのは理にかなった方法といえます。
その他、ビタミンBが多く含まれている食材というと、
豚肉、
にんにく、
たまねぎなどがあります。
ビタミンB群を積極的に摂取して夏バテ予防をしていきましょう。

それでも夏バテしてしまうという方もいらっしゃることでしょう。
そんな方には、
にんにく注射をお勧めします。にんにく注射といってもニンニクのエキスが入っている訳ではありません。
ビタミンBを血管内に注射する方法です。ビタミンB1がニンニクのような匂いがあり、注射中にニンニクのようなゴマ油のような匂いが鼻にしてきます。そのためににんにく注射と呼ばれていますが、中身はビタミンBを中心としたもので、医療用に使用している安全なものです。
費用は1回1000円(保険診療外)で、週2回程度行っていくと結構効果がある方が多くいらっしゃいます。
夏バテは一旦ひどくなってしまうと、点滴をしたりしてもなかなか元には戻りません。とにかく予防が大事です。毎年夏バテをするという方は漢方治療などでも予防ができる場合があります。是非、ご相談ください。
幸田クリニック