パート1では便潜血が陽性であっても必ずしも大腸がんと決まった訳ではないというお話ししました。今回はその逆、便潜血が陰性の場合の話をしましょう。そもそも、
大腸がんが仮に発生していた場合に便潜血は必ず陽性になるでしょうか?
便潜血が陽性となって当院で大腸内視鏡検査を行い、進行癌が発見されたケースで、よくこのようなことを言われることがよくあります。
「私はここ10年間、毎年人間ドックで便潜血検査を受けてきて、一度もひっかかかったことはありません。1年でそんなに急に大きくなるものなのでしょうか?」
大腸がんの発育速度は一般にゆっくりしているといわれています。特殊なものを除けば、早期がんから進行がんになるには少なくとも4-5年の期間が必要になります。では、それでは何故、がんが大きくなるまで便潜血が陽性にならなかったのでしょう。
そこに便潜血検査の最も大きな問題があります。
そもそも早期大腸がんというものは、きのこ状に隆起したものは少なく、比較的丈の低い平坦なものが多いため、表面が擦れて出血してしまう頻度は少ない のです。当院でも早期の大腸がんが見つかるケースでは、他にキノコ状の大きな良性のポリープがあって、そちらが便潜血陽性の原因と思われますが、偶然他の部位にみつかったということが多々あります。

便潜血検査陽性とは、便を溶かして1ml中に1000万分の1グラム以上の血液が混じった場合と決められています(=カットオフ値)。これにより大腸がん検診受診者の5%程度が陽性となるといわれています。このカットオフ値を高くすれば、実際にがんがあっても陰性になってしまう人が多くなってしまうし、低くすればがんがないのに陽性になってしまう人が多くなってしまいます。
逆にいえばそこから
何%かの人は実際にがんがあっても陽性にならずに漏れてしまうわけです。
その頻度は進行がんでは5~10%程度、早期がんでは40-60%程度ともいわれています。早期大腸がんがあっても、便潜血が陽性になるのは約半分程度というわけです。
現状の便潜血検査では進行がんを見つけることはできても、早期がんを見つけるのには不十分と言わざるをえません。
早期の段階で見つけるためには大腸の内視鏡検査がどうしても必要です。便潜血が陰性でも5年毎など定期的な間隔で大腸内視鏡検査をして頂くように当院ではお勧めしています。
以前は大腸内視鏡検査は痛くて辛い検査だったかもしれません。それは精密検査を担当する内視鏡専門医が十分数いないのが原因です。不慣れで未熟な技術のために受診者に苦痛を与えてしまい、「大腸内視鏡検査は辛い!」というイメージが出来上がってしまいました。そういった
誤解を少しでも払拭するために、我々は下剤処置から実際の検査までトータルで苦痛の少ない楽な内視鏡検査法を考えています。
是非、怖がらずにご相談ください。

現在、
大腸がん撲滅のための運動(=BRAVE CIRCLE)が行われているのをご存知ですか? 大腸がんの予防のため、大腸がん検診(便潜血)を受けるのと共に、定期的な大腸内視鏡検査を受けてください。
幸田クリニック