新年明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
昨年は陸前高田市に医療支援に行き、
自分の五感を大事にする医療を再確認できた一年でした。
また、来るべき東海沖地震で浜松はどのようになってしまうのかを、考えさせられる一年でもありました。
昨年読破した
田島知郎氏の著書「病院選びの前に知るべきこと-医療崩壊から再生に向けて」(中央公論新社)に以下のような指摘がありました。
”昨今の医療現場では、パソコンの画面の数字だけをみて、患者の顔を見ず、また五感を大切にしない医師が多くなっているように見受けられる。患者の顔つきや表情、診察室に入って椅子に座るまでの様相を観察することで、重要な情報がたっぷり得られること、またそれが医療における円滑なコミュニケーションの出発点であることが忘れられているようだ..”
日本の医療崩壊が危惧されて久しいですが、当院に転院されてくる患者さんの多くは、
「自分の方を見てくれない」
「自分の話を殆ど聞いてくれない」
といった不満を訴えます。一人の診療時間が増えれば、待ち時間が増える。そのジレンマは大病院から町の診療所までどこでも同じです。
効率にばかりとらわれていると、実際の診察がおろそかになる。
TTPに対する警笛や将来的な医療福祉財源不足により日本の国民皆保険制度が危機にさらされているといった指摘よりも、そこに日本の医療が抱えている問題があるように思えてなりません。
自分の五感を大事にする医療、これは一見科学的データに裏付けされた医療とは裏腹のもののような気もしますが、そこをどのように調和していくか、これが今年一年の課題と思って診療をしていきたいと思います。
本年もどうか宜しくお願い致します。
幸田クリニック
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