痛っ! アニサキスに要注意
浜松ではあっと今に桜の花も散って、葉桜になってしまいました。
それにしても、暑かったり寒かったり、例年にも増して寒暖の差が激しいような気がします。これもアイルランドの火山が噴火した影響なのでしょうか? それとも単なる偶然?
寒くなると、決まって増えてくるのがウイルス性胃腸炎です。4月半ばになって、ぱったりと来なかった嘔吐・下痢の患者さんが、先週寒かったりしたこともあり、今週に入ってまた増えてきました。
皆さん! 手洗いをして感染予防をしましょう!
そんな折、先日、お腹の痛いという若い方が来院されて、痛みがひどくて近くのお医者さんで胃薬をもらったがさっぱり良くならないということでした。最初は胃腸炎かとも思いましたが、痛みで夜中に目が覚めるほど痛く、下痢もしていないということでした。とにかく内視鏡をしたいということでしたので、お若い方だったとのでどうかと思いましたが内視鏡をしてみることにしました。
内視鏡をしたことろ、胃の真ん中辺りに、白い細長い寄生虫が噛みついているではありませか。
アニサキスという寄生虫が胃の粘膜に頭を突っ込んでいるのです。たったこれだけのことですが、これが物凄く痛いようです。私はなったことがないので判りませんが..
ホルマリン漬けになったアニサキスです。
内視鏡的にアニサキスを掴んで取り出してあげたところ、痛みがすっかり治まったようで笑顔でお帰りになりました。痛みが出た当日にお友達と何人かでイワシの刺身を食べたようです。一緒に食べたお友達は大丈夫だったようですが、それにしてもお気の毒としか言いようがありません。
アニサキスはサバ、アジ、イワシ、イカなどの生食によって感染するのですが、人間の中に住み着いてしまうことはありません。クジラやイルカなどの哺乳動物に住み着いてしまうことが知られています。予防は火を通して食べることですが、マイナス20度以下で24時間以上冷凍しておけば、アニサキスの幼虫は死滅するということで、冷凍したものを食べれば生でも大丈夫なようです。
生のお魚を食べて数時間して胃に激痛が走るような時は要注意です。皆さん気を付けてくださいね。
幸田クリニック
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